先週の記事でブックレビューを書きましたが、今回もまた本について書きます。
とは言え、レビューではなく、現在読んでいる本の記載内容と関係があり、なおかつ、以前から僕が考えていたことについて書きます。
現在、磯津政明著『2040教育のミライ』という本を読んでいます。本書190頁に「義務教育を行う機関が文科省所管の小中学校の一択しかない先進国は日本だけ」という記載があります。著者はこの制度を問題視していますが、僕も、この制度は変える必要があると思っています。これを変えることで、現在世間を賑わしている「教師不足」と「不登校生の増加」という問題をおそらく解決できるからです。
詳しい法的根拠を書くと、読むのが面倒になると思いますので詳細は省略しますが、現在の我が国には、「就学義務」という制度があり、保護者が子供を小中学校に就学させる義務があります。いわゆる、義務教育ですね。というか、誰でも知っていますよね。
この制度を、「小中学校には必ずしも在籍させる必要がない」というふうに変更してほしいと思っています。そうすると、子供は自分に合ったスタイルの学校に行くことができるようになります。例えば、集団の雰囲気に馴染めない子供たちは、少人数の学びの場に行くことができます。また、高い学力を持っており、集団での一斉授業を受けることを必要としない児童生徒も、家庭などで学ぶことができます。現在の学校には、集団の中で過ごすことが好きな子供たちが通うことになります。
それにより、現在の学校の児童生徒数は減ります。その結果、教師不足は改善され、不登校という問題そのものが存在しなくなります。学校を含め、いろいろな学びの場を国や各自治体が整備し、その学校等が合わなければ、容易に転校できるという制度を作るべきだと思っています。
そもそも、日本は歴史的に根性論が幅を利かせているため、「一度始めたものを変えること」に対する世間の風当たりが強いですよね。部活動や習い事を辞めること、何かあったときに転校すること、転職することなど、そのようなことに対して、肯定的・好意的に受け止められない空気があります。
しかし、人間、集団や組織に合う・合わないがありますので、合わなかったら別の場所に移ればいいと思います。そのことにより、その人自身の経験が豊かになり、そして、幸せにつながることにもなります。
僕自身も、教職という仕事を一時期離れていました。正直、離れる前は大きな不安がありましたが、今思えば、その期間にできた経験は僕の人生にとって非常に大きなものだったと思っています。
このような制度改革には、多くの人の議論が必要になり、膨大な予算も必要になります。義務教育が民間でできるようになるなら、経済格差も指摘されることになるでしょう。その場合、国又は各自治体で補助するなどして、できるだけ公平なものにしなければなりません。とにかく、明治以来約150年変わっていない現在の学校制度はとっくに限界を迎えていると僕は思っています。子供たちの学びの場を整備することは、長い目で見れば、国力の充実につながります。こういう議論が今後、出てきて、実行に移されることを切に願います。
さて、そろそろ、昨年度文科省が実施した、教員の勤務実態調査の結果が公表されるとの噂があります。それを受け、給特法に関する議論もさらになされていくことでしょう。今後の記事では、この調査結果についても書きたいと思っています。