ずいぶんと更新が途絶えてしまいました…
12月に入り、いよいよ本業が忙しくなり、ブログを書く時間と心の余裕がなくなっていました…
本業は相変わらず忙しいですが、さすがにここまで間隔が空くと、続けられなくなりそうなので、そろそろ書くことにします。
10月30日(月)の記事で、埼玉県戸田市の教育政策を文科省HPの資料をもとに記しましたが、『教職研修』の12月号に詳しいものが掲載されていました。少し紹介します。
まず驚いたのは、戸田市は、学校の働き方改革を2015年度(戸ヶ﨑教育長就任直後)から進めてきたということです。僕の中では、学校の働き方改革が世間一般で言われ出したのは、2017年度頃からと記憶しています。教育長就任直後から大胆なマネジメントをするところあたりが、さすがという感じです。
翌年、2016年度に文科省の委託を受け、全国に先駆けて働き方改革に取り組んできたとのことです。その中で特に効果のあったものとして、10月30日の記事でも記した「民間企業の社員を3ヶ月間、学校へ派遣」を紹介しています。この取組では、業務の選別を進めたとのことであり、「業務の「重要度」等の基準を管理職だけでなく、全教職員で協議を行い、くり返し見直しを行った」とあります。
業務の重要度や優先順位を考えることは、勤務時間内に業務を遂行するうえでとても大事なことだと思います。僕自身は、同時に複数の業務をこなさなければならない場面になったとき、その業務の重要度や期限などを考え、一つ一つの業務にあたる時間や順番を考えますが、現在僕が勤務する学校の先生方を見ていても、「あれも、これも、全力で」業務にあたる方がとても多いです。そのため、業務量及び時間は際限なく増えていっています。
これを解決するには、以前の記事でも書いた、身の回りの物と同じで、業務を「捨てる勇気」を持たないといけません。「この業務には100%で当たるけど、この業務は50%でいいや」という判断が必要になります。
例えば、「その日どうしても終わらせないとならない業務があり、放課後の部活動にも行かないといけない。部活動に行けば、2時間は縛られる」ーこのような場合、多くの教員が部活動後に夜遅くまで業務にあたると思いますが、僕は、部活動を他の顧問に任せるか、休みにして業務にあたります。これが優先順位の設定だと思います。部活動は1日休みにしたところで大した影響はありません。しかしながら、おそらく全国的にそうだと思うのですが、多くの教員は部活動を休みにすることに後ろめたさを感じるのではないでしょうか。この意識を変え、そのときの優先順位な何なのかということを常に考えることが業務にあたる時間の短縮につながります。
部活動に関しては戸田市も、「1年間の喧々諤々の議論の末、(中略)部活動方針を策定した」とありますので、中学校においては部活動の扱いというのは勤務時間短縮のために切り離せないものです。とは言え、以前の記事でも書いたように、中学校教員にとっての部活動指導というのは、負担だから単に切り離せば良いというものではありません。議論をしたのはとても良いことだと思います。
「民間企業の社員を3ヶ月間、学校に派遣」したことを含む「市教委主導による意識改革」をステージ1として、学校が自走するシステムを作り、その後、ステージ2「学校の創意工夫と校長会プレビューによる横展開」、そしてステージ3「個別の教職員支援」と進み、勤務時間を縮減していったとのことです。ステージ2や3について詳細を知りたい場合は、『教職研修』2023年12月号又は文科省HPをご覧ください。
これだけの改革が可能であるのは、戸ヶ崎教育長及び戸田市教育界の関係者の方々の力量によるものですが、それと同時に、戸田市が比較的小さな自治体(小学校12校、中学校6校)であることも大いに関係があります。何度も書いていますが、県以上になると規模が大きすぎて、人のコントロールや予算の確保が難しく、改革は、学校単位又は市町村単位でしか進まないと思います。
「教師には、時代の変化に適応する新しい知識や技術を習得し、さらには、子どもの学びについて真剣に考え、協議する時間が必要である」と最後に書かれています。過去の成功体験だけに囚われて、日々の業務にあたっている全国の先生方はいませんか? 時代は変化しています。一歩立ち止まって、自分の教育観、指導観、業務の方法などを見直してみることをおススメします。
ちなみに、文科省のサイトは以下のURLです。