1月22日(月)に、文科省にて「質の高い教師の確保特別部会(第8回)」が開催されたようです。
配付資料を見ると、学校の働き方改革における最も基礎的な部分であり、かつ最重要の部分である「教職員配置」について議論がなされたようです。
これまで、学校の働き方改革と言えば、「業務内容をとにかく減らせ」みたいなものが多かったですが、これについては、これまでも書いてきたように、業務内容を減らせるかどうかは、教員本人の意識次第の部分が多いという現状があります。つまり、上から減らせと言われても、その業務自体がなくならない限り、自分で減らすのはなかなか難しいところがあります。教員は真面目な人が多く、業務を減らすことにある種の罪悪感を覚える人が多いからです。
しかしながら、人が増えると、業務が分散できますので、一人あたりの業務量は減り、ある種の罪悪感も芽生えません。我々学校現場の人間は、とにかく人を増やしてほしいと常々思っていますが、いよいよこの核心部分について議論がなされているのはとても喜ばしいことです。
ただ、たとえ教職員の定数配置の見直しが答申されたところで、少子化の時代に財務省に対して説得のある要求ができるのかということと、また、要求が通ったところで、なり手はいるのかという問題はあります(答申=政策決定となるかは勉強不足のため不明です)。
昨今、教員の業務量は異常であるにも関わらず、「少子化」と「教員志願者の減少」という2つの壁と戦わなければなりません。「なぜ、少子化なのに教員の数を増やすのか?」と聞かれれば、個人的には以下の3つの回答が考えられます。
①子供の数は減っているが、教員の数は増えている訳ではない。
②特別な配慮を要する児童生徒が増えている。
③〇〇教育が増え、教員がなんでも屋になっている。
①については、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数に関する法律(義務標準法)」という法律で学級数あたりの教職員の定数が規定されていますので、仮にある学校が統廃合になった場合でも、その学校に勤務していた教職員の数が純増となる訳ではありません。退職者数を考慮し、採用数を調整していると思います。そのため、まず、この法律を改正することが必要です。
②については、文科省の資料が詳しいですが、例えば、不登校児童生徒数は平成3年に比べ、令和4年は約4.4倍増加しています。
③については、これが学校を忙しくしている一番の原因だと思うのですが、教科教育以外が多すぎます。学校という場所は、子どもが集まっているため、あることについて一斉に教える・取り組む場としては大変都合の良い場所です。そのため、様々な機関・団体から様々な依頼があり、〇〇教育をしなければなりません。完全な縦割り行政ですね。近年は〇〇教育の講師を外部委託することが増えてきましたが、以前は教員が専門外のことを勉強して児童生徒に教えるということが当たり前でした。
①~③に加え、保護者対応等も挙げられますが、総合的に言えば、学校を取り巻く社会全体が目まぐるしく変化しているのに、学校という制度が昭和の時代から変化していないことが学校を忙しくしている原因です。
学校制度も令和の時代にふさわしいアップデートが必要だと思います。教職員定数配置の見直しもそうですが、個人的には、本ブログでも度々書いている「就学義務制度の変更」という大胆な改革を実現してほしいと思います。これにより、おそらく不登校と教員不足の問題は解決できます。
ちなみに、文科省のサイトは以下のとおりです。