授業時間の短縮を歓迎します!

勤務時間

 本日(2月10日)のYahoo!ニュースのトップに「小中学校の授業時間を5分短縮へ」という記事が出ました

 「短縮分を各校が自由に使えるようにすることなどを想定しており、文科省は次期学習指導要領への反映に向け、今年秋にも中央教育審議会に諮問する見通し」とのことです。

 このニュースを受け、今現在、コメントが3,000近くついており(この後もっと増えるでしょう)、その殆どは批判的な内容です。それは、「教える内容が多いのに授業時間を減らしても余計大変だろ!」みたいなものが多いです。そしてよくあるように、「文科省は現場を知らない」などのコメントも散見されます。

 僕自身はこのニュースを見たとき、今後の方向性と一致しているなと思いました。それは以前の記事でも書いたように、次期学習指導要領では、学習内容(コンテンツ)を整理しようとする意図があるからです。つまり、コンテンツを整理(削減)して、同時に授業時間も短くすることで、余白の時間を作り、学校裁量でカリキュラムを組み立ててもらおうというものです(いわゆる「カリキュラム・マネジメント」をさらに進めてほしいと思っていると思います)。

 ニュース下部に、次期学習指導要領策定のキーマンと言われる奈須正裕氏のコメントがあり、「学校ごとに課題は異なり、それぞれの実情に応じた指導をするには、裁量の拡大は必要なことだ。『45分』『50分』を基本としてきた授業の進め方も含め、学校現場には変化が求められている」とあります。

 コンテンツを整理するとは述べてないものの、おそらく、同時並行で進めているはずです。

 現代社会は、スマホやタブレットが身近にあるため、何かを調べようと思ったら容易に調べることができます。そのため、「知識の量」よりも「知識の活用」が重要だと言われています。いわゆる「知識を教え込む」授業は変化が求められており、このような授業の在り方も、一人一台端末を活用しながら変えていかなければなりません。

 ただ勿論、以前の記事でも書きましたが、授業を変えるなら同時に、テストや入試も変えなければなりません。それを変えないことには塾が儲かる一方です。コンテンツの量や暗記量を求めないテストや入試改革も同時に進めていく必要があります。

 そしてさらに重要なのは、5分短縮となった場合の学校マネジメントです。一日6コマの授業があるとしたら、30分の余白の時間が生まれます。この30分をどう活用するか、管理職の力量が問われます。

 授業の合間の10分の休み時間を15分にする、昼休みを延長する、放課後の時間を長くする、などの休憩・休息の時間を増やすか(もっとも、児童生徒が在校している以上、実質的な休憩・休息にはなりませんが)、それとも、新しい学習活動を導入するか、学校により様々異なってくることでしょう。

 教員の労働環境を整えつつ、生徒・保護者にとって充実した時間となるようにしなければなりません。幸い、時間はまだありますので、今後の構想が大変重要になってきます。

 攻めのマネジメントをする管理職は今すぐにでも構想を練ることでしょうし、守りのマネジメントならば、近隣の学校の様子を伺うことでしょう。もし僕なら、前者でありたいと思っています。

 次期学習指導要領策定の動きと併せて、今後の動向に注目です。

 ちなみに、サイトURLは以下のとおりです。

 小中学校の授業を5分短縮、年間で計85時間を弾力的に運用へ…各学校の裁量で自由に(読売新聞オンライン) – Yahoo!ニュース

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