先週初め、全国の多くの学校で新年度がスタートしたことと思います。担任となった先生や新しい業務をすることになった先生はこの一週間、多忙を極めたのではないでしょうか?
この土日に少しでも心と体を休めたいところですが、来週に向けて、しておかなければならない仕事もあるでしょうし、部活動等がある先生もいらっしゃるかもしれません。どうか無理のない範囲で仕事にあたられてください。個人的には100点満点ではなく、80点を目指すくらいでちょうど良いと思っています。
さて、担任となられた先生は子どもたちとの出会いもある中で、多くの事務仕事をこなされた一週間ではなかったかと思います。そして、教室掲示も少しずつされているのではないでしょうか。そこで、今回の記事では、教室掲示を効率的に、かつ見栄えを良くする方法等について、文科省の「全国の学校における働き方改革事例集(以下、『事例集』)をもとに、個人的な経験を踏まえ、記したいと思います。今の時期に実践できることばかりですので、お役に立てると思います。
『事例集』とは?
『事例集』は、令和5年3月に発行されたものであり、全国の学校から集められた働き方改革の事例がまとめられたものです。電子版で265ページもありますが💦、業務の種類ごとに分類されており、とても見やすくなっています。電子版では30ページからの「取組リンクリスト」を見れば、自分が探したい分野を簡単に探すことができます。
教室掲示の工夫は?
教室掲示については、電子版の47ページと48ページに記載があります。大きく分けて2つ紹介されており、
①「足し算方式」の校内掲示・写真掲示へ転換
②教室・廊下展示の効率化
とあります。
①の「足し算方式」とは、常に完成した(掲示スペースを全面埋めた)掲示をするのではなく、あえてスペースを空けておき、一年かけて埋めるやり方に変更したとのことです。従来は行事やイベントごとに掲示スペースを全面埋めるようなやり方をしていたそうですが、この方法にしたことにより、掲示物の作成・掲示・撤去の時間が大幅に短縮したとのことです。
②については、習字の作品などを毎回貼るのではなく、個人ファイルに入れるやり方にしたり、「〇〇だより」など配付するものは掲示しないようにしたなどがあります。
子どもたちの掲示物が多すぎて大変だという方はぜひ実践してみてください。
その他のコツ5選
加えて、僕個人が教室掲示するときに心がけていることを紹介します。
①片づけることを考えて掲示する
当たり前のことですが、教室は年度末にきれいな状態にしなければなりません。片付けや整頓が苦手な人にとっては、嫌な時間ですよね。僕は片付けが少しでも楽になるように、細かいことですが、以下の2点を必ずします。
・粘着物のある物を貼るときは剝がしやすい素材を使う
・画鋲は斜めに刺す
この2点をするだけで、片付けるときの面倒さと時間がかなり違います。
②あえてずらして掲示する
掲示物を横一直線に貼るのは難しくないでしょうか? まっすぐ貼っているつもりでも、だんだんとずれていくことがあります。まっすぐなっていないと、見た目が良くないですよね。そこで僕は、あえて横の高さをずらしながら貼ります。こうすることでずれるとうことの見た目の悪さを回避できます。ただ、これができるのは掲示スペースが十分ある教室に限られます。
③淡い色や見やすい字にする
台紙や掲示物のタイトル等を先生方が作成することがあると思いますが、このとき、画用紙等はパステルカラーが望ましいです。配色が人間に与える視覚効果について専門的に勉強している訳ではないですが、淡く、薄い色の方が温かく、優しい雰囲気になります。
また、題字等についても明朝体など堅苦しい印象があり、細い書体は避けましょう。ちなみに僕はよく「HGP創英角ポップ体」を使います。この書体は温かく、楽しそうな印象を与え、字も太いため、見やすいです。
④子供たち同士の感謝の気持ちが伝わる掲示物をする
大きな学校行事が終わった後に、感想等を子供たちに書かせることがあると思いますが(キャリアパスポートとして実施している学校が多いでしょうか)、この際、個人の感想とともに僕は必ずクラスメイトへの感謝の気持ちを書かせる欄を作っています。これを書かせ、掲示することにより、子供たちの横のつながりができ、良い人間関係が構築されていきます。
⑤掲示期間の長短を考える
子供たちの作品も含め、掲示物は掲示する期間が長いものと短いものに分けられます。例えば、近い時期にあるようなイベント等のお知らせについてはマグネットや画鋲等を使って貼り、終わった後はすぐに剥がしましょう。終わったイベント等のお知らせの掲示物は何の役にも立ちません。
また、「〇〇のきまり」など一年間とおして貼っておくものは、ラミネートをしましょう。ラミネートすると、見栄えと耐久性が格段に良くなります。
以上です。参考になりましたら幸いです。
教室掲示は、個人のこだわりの部分が多い業務ですが、僕個人としては「見た目」が特に重要だと思っています。ただ、「見た目」にこだわりすぎて掲示すること自体が目的になってしまってはいけませんので、中身と片付けやすさも同時に考えて実践してみてください。
最後に、文科省の『事例集』は以下のリンク先にあります。参考にされてください。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/hatarakikata/mext_00008.html