以下の記事は、令和6年7月末に書いたものであり、教職調整額の増額については現在、文科省と財務省の間で交渉中ですので、ご留意願います。
先日(7月26日)、14回目の「質の高い教師の確保特別部会」が開催され、昨年(2023年)5月に諮問された「「令和の日本型学校教育」を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策について」の答申(案)が出されました。
答申(案)は60ページからなるボリュームのあるものですが、おおまかな内容についてはこれまで本ブログで述べてきたとおりです。今回は新たに「工程表」(案)が出ており、新たな取組をいつから実行するのかというスケジュールが示されていますので、これについて紹介します。
頻繁に話題にあがる教職調整額は、令和8年(2026年)から増額される見込みです。
本記事を読めば、教職調整額の増額を含む今後の学校の働き方改革の流れがつかめると思います。
今後のスケジュールは?
今後の変更点はいろいろありますが、ニュース等でもよく報道された目玉改革についてのスケジュールは以下のとおりです。
令和7年度(2025年度)
給特法の改正案を国会提出
小学校中学年への教科担任制拡充
若手教師支援のための定数改善
生徒指導担当教師の全中学校配置
令和8年度(2026年度)
「新たな職」の任用・配置
こうして具体的なスケジュールが出てくると、新しく変わることへの具体的なイメージがわきますね。
改革に関する個人的な感想
ニュース等で最も大きく扱われた教職調整額の増額については、来年の通常国会で給特法の改正案を提出するようです。ということは、実際に給与が増額されるのは、再来年(令和8年)からでしょうか。僕自身、国の動きの詳細がわかっている訳ではありませんので、正確なところはわかりません。間違っていたら申し訳ありません💦
意外だったのは、「若手教師支援のための定数改善」が次年度からになっていることです。これは、新卒教員が担任をしないための措置だと思うのですが、次年度からできるということは既に予算の確約があるということだと思います。採用数が増える中、ここまでのことができるのかと疑問に思うのですが、こう示しているからにはできるということなのでしょう。
「生徒指導担当教師の全中学校配置」というのは、これまであまり報道されなかったことです。答申案には、「不登校児童生徒への支援も含め、生徒指導等を専任で担当する教師」となっていますので、従来の生徒指導主事とは異なり、授業をもたない教員が配置されることなのでしょうか。
学校現場としてはフリーの教員がいるというのは大変ありがたいことですが、どのような形になるのかは学校裁量のような気がします。
「新たな職」は、教諭と主幹教諭の間に設けるものですが、これについては「工程表」(案)によれば、今年度から検討し、次年度に仕組みを構築後、各自治体で選考等を行うようです。
その他の変更点は?
その他、これまで本ブログで取り上げた「学級担任への手当加算」、「管理職手当の改善」については、今年度に「検討」を行い、次年度に「自治体における条例等改正」となっており、具体的な変更時期については明示されていません。これは、自治体の動き次第ということがあるのかと思いますが、個人的に「担任手当」は早く導入してほしいと思っています。
まとめ
いかがだったでしょうか。上に述べたように教職調整額がアップするのは、令和8年(2026年)からだと思います。その他については、次年度から変更されるものもあり、スピード感を感じますが、人の配置についてよくあるのは「予算はあるけど、人はいない」という状況です。
今年度から全小中学校に配置されることになっている教員業務支援員(スクール・サポート・スタッフ)は皆さんの学校にいますか? おそらく、配置されていない学校が多いのではと思います。本校にも配置されていません。
このような状況を改善するためには、学校が魅力ある職場であることを伝えていく必要があります。そのためには、こうした国の対応をもとに各学校での適切なマネジメントが必要になってきます。最近やたらと、「管理職のマネジメント」という言葉を聞くのももっともだと思います。
以下に、文科省の資料のページのリンクを貼りますので、興味がある方はご覧になってください。
なお、「工程表」(案)は、答申(案)本体の資料63枚目と64枚目にあります。
また、それぞれの変更点の詳細について確認されたい方は、以下をご参考にされてください。
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