文科省の諮問に答申してみた その1

業務内容

 先週の記事で書いたように、永岡文科大臣が22日、中央教育審議会に教員の働き方改革に関する諮問を行いました。正式名称は、「「令和の日本型学校教育」を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策について」です。小難しいタイトルですね。

 文科省のサイトは以下のものですので、気になる方はチェックしてみてください。

「令和の日本型学校教育」を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策について(諮問):文部科学省 (mext.go.jp)

  さて、本諮問では大きく分けて、次の3つの項目の検討を求めています。

  ①更なる学校における働き方改革の在り方について

  ②教師の処遇改善の在り方について

  ③学校の指導・運営体制の充実の在り方について

 最も注目されているのは、教職調整額の在り方を議論することを含む②ですが、これについては先日、自民党の特命委員会が10%に引き上げる案を提言したばかりです。これとは異なる結論を出すのか見ものです。ニュースによれば、来年(2024年)春頃までには一定の方向性を示すとのことであり、今後、有識者の方々の議論が行われますが、本ブログでは僕なりに、偉そうに、学校現場の現状を踏まえ、答申のようなものをしてみたいと思います。

 今回は、①についてです。

 ①については諮問本体の中で、平成31年3月に出された、いわゆる「3分類」について、更なる役割分担、適正化を推進する観点から、業務の在り方を見直しするよう検討を求めています。

 いわゆる「3分類」が出されたとき、「これで学校の仕事が減る」と僕は喜んだものです。しかしながら、現在に至るまでほとんど、業務の見直しが行われていないのが現状です。「3分類」において、「基本的には学校以外が担うべき業務」とされている全ての業務を未だに学校が担っています(少なくとも僕が勤務する学校においては)。「学校以外が担うべき業務」を学校が担っている現状ですので、他の2分類は、当然のように学校が担っています。

 このような国の方針を、末端の学校現場まで浸透させる方法は強制力を持たせるしかありません。そして、その業務を担うのは、先週の記事でも書いたように、市町村立学校においては、設置者である市町村教育委員会に他ならないと思っています平成31年3月の通知にも「地方公共団体や教育委員会が、学校以外で業務を担う受け皿の整備を進めること」と記載されていますが、「〇年〇月を目途に整備すること」というふうに記載するべきです

 平成31年3月の「基本的に学校以外が担うべき業務」については以下のように、具体的に誰がすべきということを記載すべきだと思っています。

①登下校に対する対応

  → 地域の自治会等で輪番等の方法で実施する

②放課後から夜間において児童生徒が補導されたときの対応

  → 家庭及び警察で適宜連絡をとり、対処する

③学校徴収金の徴収・管理

  → 市町村教育委員会が確保した人材によって行う

④地域ボランティアとの連絡調整

  → 市町村教育委員会事務局の職員又は市町村教育委員会が確保した人材が行う

 どうでしょうか。

 ここまで具体的に書けば、せざるを得ないでしょう。ただ、もちろん、先週も書いたように市町村教育委員会(特に町村教育委員会)は職員数が少ないでしょうから、市町村教育委員会自体の組織改編も必要になってくると思います。また、そもそも、行政機関は責任の所在がはっきりするのを避けるため、文書等の表現をできるだけ曖昧にする傾向があります。

 今回は、より具体的な案を書きましたが、勤務実態調査を踏まえた業務の再整理にとどまる可能性が高いと思っています。

 最後に、冒頭にリンクを貼った文科省のサイトの「関係資料」は、これまで国が進めてきた教員の働き方改革をまとめたものですので、これまでの経緯を一覧で見ることができます。管理職選考対策などにも使えると思いますので、必要な方はぜひご活用を。

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