改善が見られる教師の時間外勤務の現状

勤務時間

 先日(令和8年3月9日)、文部科学省が「令和7年度教育委員会における学校の働き方改革のための「見える化」調査」の結果を公表しました。調査タイトルが長いですが、簡単に言えば、教師の時間外勤務の長さや働き方改革の進捗状況を確認する調査です。

 ニュース等でも報道されましたので概要をご存じの方も多いかと思いますが、今回はこの調査結果をもとに教師の勤務状況を見ていくとともに今後の国の取組を紹介したいと思います。

 本記事を読めば、近年の教師の時間外勤務の状況と今後の取組がわかると思います。

 結論を先に言えば、教師の時間外勤務は全ての校種において前年度から改善が見られ、今後、事務職員を含む教職員定数の改善などが進められる予定です。

 以下、詳しく見ていきます。

時間外在校等時間等の状況

 まず、時間外在校等時間等が月45時間以下の割合は、各校種以下のようになっています(ちなみにこれは令和6年度のデータです。( )内は令和5年度との比較)。

小学校77.8%(+2.4%)・中学校60.5%(+2.9%)・高校72.6%(+0.8%)・特別支援学校92.2%(+0.5%

 全ての校種において、前年度から改善が見られます。令和6年度はコロナ禍の影響はない年度ですので、この年度が前年度に比べて改善しているということは業務改善等の働き方改革が進んでいる証左と言えます。ただ、いわゆる「持ち帰り業務」の時間は計上されておりませんので、実際の時間外勤務はこれ以上の可能性があります

 ちなみに僕は中学校教員であり、各校種の先生方と話すと、皆一様に「忙しい」と言いますが、この数字を見ると中学校が最も忙しいのだと改めてわかります。

 なぜ、中学校が最も忙しいのかと言うと(あくまで僕の周囲の方からの情報をもとにしたものであり、個人で事情が異なると思いますが)、小学校は空き時間は基本的にありませんが部活動がなく、高校は部活動がありますが空き時間が多く、特別支援学校は空き時間はありませんが生徒の下校が早く、部活動もないという特徴があります

 そして、中学校は(担当教科によりますが)一人あたりの授業数が多く、空き時間が少なく、部活動もあるという状況ですので、当然このような結果になります

 このような状況を踏まえ、現在、中学校の部活動改革が進められようとしていますが、順調に進んでいるとは言い難い状況です。中学校の忙しさを改善するなら、一人あたりの持ち授業数を減らすのが最も効果があると思いますが、昨今の教師不足の状況では難しいことです。であるならば、校内で徹底的な業務改善を進めていくしかありません。

実施率が高水準の働き方改革

 次に、働き方改革の進捗状況です(これは令和7年度のデータです)。

 まず、実施率が80%以上の高水準になったもののうち、給特法の改正に関するものです。

①標準授業時数を大きく上回って教育課程を編成している学校に対する指導・助言(85.2%)

②学校行事の精選・重点化、又は準備の簡素化・省力化に係る指導・助言(82.2%)

 以上2つです。ちなみにこの調査は教育委員会事務局に対する調査ですので、このような文言になっています。

 ①は今年度の別の調査で、「標準授業時数を大きく上回っている学校」はかなり減ったという結果も出ていますので、少なくなっているでしょう。②はこんな具体的な指導・助言って受けるのか…という感じもしますが、皆さんの働く自治体ではいかがでしょうか。

 次に、「3分類」に関するものです。

①ICT機器・ネットワーク設備の日常的な保守・管理をICT支援員等で対応(80.1%)

②授業準備への支援スタッフの参画(82.3%)

③支援が必要な児童生徒等・家庭への対応について専門人材と教師が協働して対応(96.9%)

 などが挙げられています。確かに、これらのことは進んできているのを実感します。ICT関連では、一人一台端末の時代においてはICT支援員のサポートは不可欠ですので、今後も継続していただきたいです。

 なお、「3分類」について詳細は以下の記事をご覧ください。

今後の取組について

 最後に、文科省の今後の取組を紹介します。いくつか挙げられていますが、学校現場に関連のあるものを中心に紹介します。

①事務職員を含む教職員定数の改善、教員業務支援員等の支援スタッフの配置充実

 これは個人的に最も推進してほしい施策です。教員定数は改善したところでなり手がいないため、事務職員や教員業務支援員をもっと増やしてほしいです。学校という職場は、教員でなくてもできる仕事(教員免許がなくてもできる仕事)が山程あります。それをしてもらえるとかなり助かります。

②部活動の地域展開等の全国的な実施

 部活動の地域展開については上にも少し書きましたが、なかなか進まない状況です。ただ、今年度の国の補正予算に計上されましたので、いよいよ本腰上げて取り組んでくれる感じはしてきました。自治体により実態が異なるところが改革が進まない原因ですが、少しずつは進めてほしいです。

③校務DXの加速化、学校徴収金の公会計化の促進

 校務についてはずいぶんデジタル化は進んできましたが、学校徴収金の管理は教員がしている学校が多いのではないでしょうか。自分も含めてですが、お金の管理を苦手としている教員は多いため、公会計への移行もしてほしいですが、例えば、学校業務支援員などに担ってほしいですね。

まとめ

 いかがだったでしょうか。

 教師の時間外勤務は全ての校種において前年度から改善が見られ、今後、事務職員を含む教職員定数の改善などが進められる予定です。

 なお、今回の調査では、時間外勤務の具体的な内容が示されておりません。ただ、これについてはこれまでもかなり調査を受けた感がありますので、個人的にはもう結構という感じです。

 より詳しく見てみたい方は、以下のページをご覧ください。市町村別の細かいデータも公表されていますので、ご自身の自治体のデータを見られると面白いかもしれません。

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