先日、本県の教育委員会が「ラーケーション」を導入することを発表しました。
この制度を最初に導入したのはおそらく愛知県(2023年3月に制度導入を発表、9月から施行)であり、追随する形になります。
「ラーケーション」とは、「Learning(学ぶ)」と「Vacation(休暇)」を合わせた造語であり、平日に家族で主体的・体験的な学びをするためにとることができる休みです。この制度を利用すれば、「欠席」扱いとはならず、平日にしか休みがない保護者がいることも考慮した制度です。
本制度の利用の例として、愛知県では「史跡巡り」や「公園の植物調べ」などを挙げていますが、おそらく、本制度を利用する家庭がそんなことはしないでしょう。最も多いのは、家族旅行ではないかと思います(もちろん、家族旅行も可としています)。僕もそうですが、旅行に行くなら、少しでも混雑を避けるため、また、少しでも費用を抑えるため、土日や連休を外すことを考えます。ですので、土日の前後に休みをとることが最も多いパターンではないかと思います。
さて、本制度は愛知県の導入後、特に大きな批判も上がらなかったことから、本県も導入を決めたと思いますが、僕自身としては、多くの人と同じようにそこまで関心はありません。というのも、今は、以前と異なり、欠席数をゼロにしたいと考えている家庭や子供は、そんなに多くないからです。
一昔前は、学校によっては「皆勤賞」なるものがあり、一年間無欠席だった児童生徒は年度末に表彰されることがありました。「皆勤賞」をもらうために欠席ゼロにこだわる子供も多かったように感じます。
しかし、今は価値観も多様化し、子供や家庭は「学校を休まないこと」にそこまで価値を感じていません。つまり、今の時代の家庭は、家族旅行に行きたければ、普通に「欠席(事故欠)」で休みます。
もっとも、同調圧力が強い我が国においては、家族旅行で学校を休んだということが周囲にバレた場合、何か言われる心配もあります。そうなるのを恐れる家庭にとっては、とても利用しやすいものかもしれませんが、本制度が浸透していかなければ、つまり、多くの家庭が利用しなければ、周囲の認識は変わらないかもしれません。
上に、「関心はありません」と書きましたが、このような柔軟な考え方の導入は、学校という制度を変えるためには一つの有効な手段だと思いますので、そのような意味では賛成です。法律を変えることや予算を確保することはなかなか難しい話ですので(特に後者)、予算の制約がないことから少しずつ変えていき、学校及び学校を取り巻く環境が少しずつ変わっていくことを願っています。