次期学習指導要領策定に向けて中教審で議論が進んでいますが、先日(令和8年5月13日)開催された特別部会の資料に、「高次の資質・能力」を活かした単元計画づくりのイメージが掲載されていましたので、今回はこれを紹介したいと思います。
本記事を読めば、「高次の資質・能力」を活かした単元計画づくりのイメージが持てると思います。
ポイントは、デジタル学習指導要領を活用しながら、「高次の資質・能力」を身に付けさせるための活動内容や評価方法等を構想することです。
以下、詳しく見ていきます。
「高次の資質・能力」とは?
「高次の資質・能力」については、これまでも本ブログで度々紹介してきました。端的に言うと、「単元(内容のまとまり)や領域をとおして身に付けさせたい知識や考え方」です。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
「高次の資質・能力」を軸にした次期学習指導要領のイメージについては以下の記事をご覧ください。
「高次の資質・能力」の評価の取扱いの方向性については以下の記事をご覧ください。
単元計画づくりのイメージ
では、ここから「高次の資質・能力」を活かした単元計画について紹介しますが、まず、前提として以下のような記述があります。
高次の資質・能力等を活かして単元構想を行う際の思考プロセスを明確にするために作成しているイメージであり、各教師に常に参考イメージに示した資料を作成することを求める趣旨ではないことに留意
あくまで、単元計画づくりの思考プロセスのイメージだということです。これを全ての単元で作成することを求めるものではないですよ、ということです。現場の教員の負担を配慮しているものと思われます。
では、以下、中学校外国語(英語)の「紹介する」(新出文法:接続詞)の単元を例にイメージを紹介します。
①「高次の資質・能力」を確認する
まず、デジタル学習指導要領で該当する単元の「高次の資質・能力」を確認します。ちなみに、次期学習指導要領は、デジタル化される予定です。これについては、本記事末尾のリンク先をご覧ください。
「紹介する」の単元の目標や「高次の資質・能力」の「思考力・判断力・表現力等の総合的な発揮」には、「コミュニケーション」という語句があります。そこで、これを踏まえ、「「コミュニケーション活動」と「コミュニケーション活動を支える活動」とを往還する学習過程の中で、子供たちが、学んだ表現や文法事項等を使い、本単元におけるコミュニケーションを行う目的や場面、状況などに応じて表現できる」ことをねらいとしています。
②活動内容と単元の授業時数を設定する
この単元では、「高次の資質・能力」にある「相手に応じて紹介できる力」を生徒に身につけることを目標とするため、小学校での既習事項や総合的な学習の時間と関連付け、「住んでいる町の食べ物を紹介する」活動をすることとしています。
単元の導入では、生徒に活動の見通しを持たせ、第2時以降は教科書の内容理解と関連させ「コミュニケーションを支える活動」を行い、徐々に生徒が思考、判断、表現できるような「コミュニケーション活動」をするとしています。
そして、単元の後半では、教科書で学んだことや既習事項を生かしてコミュニケーションを行う目的や場面、状況などに応じて生徒が思考、判断、表現できる「コミュニケーション活動」を多く行うとしています。
これを、パフォーマンステストも含めると9時間としています。
以上を詳しく紹介しているのが以下のスライドです。

(出典:文部科学省HP)
単元計画づくりのポイント
以上、中学校外国語(英語)を例に簡単に紹介しましたが、ポイントはまず、「高次の資質・能力」を確認し、その単元で生徒に身につけさせなければならない資質・能力をしっかり把握することです。現行学習指導要領は、活字だけの表記で非常に見づらいですが、次期学習指導要領は、検索機能もつきますし、単元ごとの「見方・考え方」や評価規準例、さらに他の単元や他教科との関連も表示されるらしいですので、使い勝手が良くなることが予想されます。
そして、既習事項や他教科との関連も意識しながら、生徒の実態に沿った学習内容や活動にすることが大切です。良い授業の例というのはたくさんありますが、それが児童生徒の実態に合っていなければ、児童生徒にとっての良い授業にはなりません。僕自身も同じ学年の授業をするときも、生徒の実態に合っていないと感じるときは授業のやり方を変えるときもあります。授業をするにあたって「児童生徒の実態」というのはとても大切なものだと思います。
また、これは英語に限った話ではないと思いますが、「知識」という土台をしっかり作るということです。「知識」という土台がなければ、「思考」や「表現」、「判断」はできません。児童生徒にしっかり「思考」や「表現」をさせるうえで「知識」は重要になります。
さらに、構想したことは児童生徒と共有することも大切です。「こういう力を身につけてほしいからこういう活動をする」ということを子どもたちに伝え、見通しをもった活動を進めていくことも大切です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
「高次の資質・能力」を活かした単元計画づくりのポイントは、デジタル学習指導要領を活用しながら、「高次の資質・能力」を身に付けさせるための活動内容や評価方法等を構想することです。
より詳しく見てみたい方は、以下のページをご覧ください(資料2-2の56ページ以降を参考にしています。他の校種・教科もあります)。
なお、デジタル学習指導要領については、以下の記事を参考にしてください。






