春休みを長くすべき理由

業務効率

 先日、山口県下関市が春休みを延長するというニュースが流れました。夏休みの延長や短縮はわりに大きな話題となるものの、春休みの延長や短縮というのはあまり話題になりません。

 そこで今回は学校現場の視点から、春休みという期間の現状と春休みの業務を乗り切るコツについて書きたいと思います。

 本記事を読めば、春休みを長くすべき理由と春休みを乗り切るコツがわかると思います。

 結論を先に言えば、春休みは全ての休みの中で最も忙しい休みであるからであり、職員全体が拘束される時間を極力減らすことで時間を生み出すことができます。

 以下、詳しく見ていきます。

近年、春休みを延長した自治体

 冒頭に、山口県下関市のことを書きましたが、近年、春休みを延長する自治体が出ています。

 山口県下関市は、来年(令和9年)から春休みの期間を3月24日から4月9日の17日間にするとのことです。これまでより、5日間延長されるとのことです。一気に5日間延長は大きいですよね。

 沖縄県那覇市は、令和6年(2024年)から、従来より6日間延長し、3月21日から4月7日の18日間にしたとのことです。これも6日間延長は大きいですよね。

 また、佐賀県も来年(令和9年)から県立学校の春休みを1日延長するとのことです。

 ところで、多くの方はご存知と思いますが、春休みを含む各休業日は各自治体の管理規則というもので定められています。ですので、夏休みや春休みの期間は、都道府県によって異なることはもちろん、同じ都道府県内の自治体であっても異なることがあります。「隣の町はまだ夏休みなのに、うちの学校は明日から学校が始まる…」なんてことも聞いたことがあると思います。多くの場合、近隣の市町村ではある程度合わせていると思いますが、全く異なることもあるかと思います。

一年の中で最も忙しい休み

 さて、では近年、春休み期間の見直しが行われているのはなぜでしょうか。それは春休みが学校現場にとっては、一年間の休み(春休み、夏休み、冬休み等)のうち、最も慌ただしく、忙しい休みであるからです。休みが忙しいというのは不思議な感じがしますが、休みなのは児童生徒であって、我々教員にとっては、基本的にこれらの期間は勤務日です。

 夏休みや冬休みもしなければならない業務はそれなりにあるものの、春休みは比べものになりません。決定的に違うことは、一年間のスタートの準備をするということです。春休みは非常に短い期間で新年度の準備をしなければなりません。それはつまり、始業式や入学式で児童生徒を迎える準備です。学校現場でない人からすれば、「そんなの毎年しているだろうから、そこまで大変ではないのでは?」と思うかもしれませんが、確かに行事の内容自体は変わらないものの、職員と児童生徒は毎年度変わりますので、人が変わることに伴う変更というのはとても大きいのです。

春休みが忙しい理由

 では、春休みはなぜそもそもそんなに忙しくなるのか。ここから、多くの学校でしているであろう春休みの業務を洗い出していきましょう。

 まず、3月の年度末の期間はそこまで忙しくないかと思います。指導要録等の事務整理はありますが、通知表をしっかり書いていれば、膨大な作業になることはないかと思います。これを仕上げてしまえば、年度末の数日はゆっくりとした気持ちで過ごせるのではないでしょうか。

 ただ、人事異動の対象となった方で、引っ越しを伴う異動となった方は大変忙しいことでしょう。僕自身も若い頃は、異動と引っ越しはセットでしたので、早く引っ越さなくて良い異動にならないかなと思っていました。本当に大変ですよね。

 本当に忙しくなるのは、4月です。なぜなら、新年度の学校というのは自分の担当学年や学級が決まらないとできない仕事が多いからです。そして、これが決まるのが早い自治体でも4月2日ではないでしょうか。2日に自分の担当学級などが決まって、その後数日間は時間の余裕がありそうに見えますが、多くの学校でその後数日間は職員会議が開催されるかと思います。そのため、この期間は自分の仕事をする時間がほとんど取れず時間外勤務も長くなってしまうため、春休みを延長する自治体が出てきているのです。

 数日間にわたる職員会議の内容は、校長の学校経営方針や校内人事の発表に始まり、教育課程や時間割の作成方針、学習指導や生徒指導、給食指導、掃除指導などの学校全体でする業務の確認などです。

 そしてこの職員会議と並行しながら、学年部での会議もすると思います。学級編制(クラス替え)に始まり、学年及び学級の名簿作成、出席簿の作成、机・椅子の数の調整等を含む教室設営、給食指導や掃除指導などの方法の確認、年度当初の学級活動の内容決めとその準備、学級通信の作成など非常にバタバタします。

春休みを乗り切るコツ

 最後に、そんな忙しい春休みを乗り切るコツを紹介します。

 ポイントは、職員全体が拘束される時間を可能な限り減らし、個人の仕事ができる時間をしっかり確保することです。具体的に言えば、上に挙げた年度当初の職員会議(校内研修などもする学校もあるかもしれません)の時間を極力短くするか時期を見直すことです。

 僕が勤める学校では、職員会議で基本的に議論しないために前年度のうちに各校務分掌で次年度の方針を決めておき、それを年度当初に全体で確認するようにしました。学校における○○指導は、先生方の価値観やキャリアによって様々な方法や考え方があります。しかし、それを言い出したらきりがありませんので、「この学校ではこうする」というのを決めておくと時間を取らずに済みます。もちろん、明らかに非効率的なものや見直しが必要なものもあると思います。それはまた次年度に変えれば良いのであって、基本的に年度当初はあーだこーだと議論するのを避けます。

 また、提案内容の確認も必要です。「この校務分掌の提案は年度当初でなくても良いのでは?」というものもあるかと思います。そういったものは時期をずらすことで年度当初の時間を生み出すことができます。校内研修もそうです。年度当初にどうしても必要な研修以外は時期をずらすことで同じく時間を生み出すことができます。

 以上のことは僕が教務主任として年度末に様々な方に働きかけてやってきたことです。それにより、1日半の時間を生み出すことができました。

 では、各学年所属だったら、どのようにしたら時間をやりくりできるかというと、これはもう、コミュニケーションをとりながら、学年部の職員全員で役割分担するしかないと思います。学年部の仕事はどうしても時間がかかるものが多いです。ですので、担任しかできないものを担任がする、担任以外でもできることは担任以外がするということをコミュニケーションをとりながら進めていくしかないと思います。年度当初は、新しく出会う方も多く、お互い気を遣う部分もあるかもしれませんが、大変なのはみな同じですので、前向きに仕事に向かえるよう明るいコミュニケーションをとりましょう。

まとめ

 いかがだったでしょうか。

 春休みを長くすべき理由と春休みを乗り切るコツは、春休みは全ての休みの中で最も忙しい休みであるからであり、職員全体が拘束される時間を極力減らすことで時間を生み出すことができます。

 今回の記事は、僕の経験上のことを書きましたので、地域や学校によっては実態が異なる部分もあるかと思います。その部分についてはご容赦いただければと思います。

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